やぶきたって何?やぶきたの特徴とは?紅茶も作れる「やぶきた」について解説

孤高の日本茶インストラクター、大西です。

今日はお茶の話です。

日本茶について少し詳しくなると「やぶきた」という言葉に出会うかと思います。
一般的にあまり聞かない言葉だと思っていますが、いかがでしょうか?

お茶の品種って、ほとんどの方は意識したことがないと思います。
このページを読んでいるあなたは、まあまあなお茶マニアとお見受けします。

さて今日はお茶の品種「やぶきた」についてご紹介したいと思います。

これから日本茶が注目されてきます。
お茶について幅広く知っておくと、ちょっとお得です。

お茶の品種ってどういうこと?

そもそも、品種ってなにかということを簡単にご説明します。
分かりやすい品種の例を挙げてみると…

お米の品種

参照:ミツハシライス、平成30年産水稲の品種別作付動向」(米穀機構) 表:参照を基に筆者作

りんごの品種

参照:りんご大学品種別生産量、JA全農あおもり 表:参照を基に筆者作

などがあります。

身近な食べ物を例にあげてみました。

お米の「コシヒカリ」やりんごの「ふじ」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらがいわゆる「品種」というものです。

お米やりんごとおなじようにお茶にも品種があり、その中でも一番生産量が多いのが「やぶきた」と呼ばれる品種です。(全国のお茶生産量の70%以上がやぶきたです)

※ お米もりんごも品種は上記以外にもたくさんあります。

やぶきたの特徴

やぶきたの生い立ちに少しだけ触れてみます。

明治41年(1908年)
静岡の「杉山彦三郎」(1857~1941)さんという方が見つけました。

見つけたと言う表現が合ってるのかはビミョーなんですが、 この彦三郎さん、品種改良の先駆者とも呼ばれる方で茶業界では有名な人です。
いろんな種類のお茶の木を自分の茶畑に植えて観察していると、なにやら良く育っている木を発見。それがやぶきたでした。竹やぶの北側でその木は育っていたので「やぶきた」と命名したそうな。何ともわかりやすい名前のつけ方です。

味や香り、収穫量、耐寒性や耐病性も他の品種と比べると優れていて、今でも総合的にみて一番良い品種と言われています。

やぶきたはとても優秀な品種でしたが、すでに茶畑に植えられていたお茶を植え替えるのは大変なことでしたので、全国に普及したのは戦後のことになります。
寒さに強く、病気や害虫にも強く、安定して栽培が出来るため、戦後一気に全国のお茶畑で植えられていきました。

問題が出てきた

農作物の生産で難しいことの1つとして、収穫時期が重なるということが挙げられます。

現代の農家さんの悩みでもありますが、圧倒的な人手不足が深刻化してきました。
4月下旬から5月中旬頃にかけて、茶産地では連日茶摘みが行なわれます。品種が同じだと収穫時期が重なり、たくさんの人手が必要となります。
もちろん茶畑で茶摘みをする人だけではなく、摘んだ茶を製品にしていかなければならないので、製茶工場も大忙し。品種が異なれば収穫時期をずらす事もでき、作業の負担を軽くすることもできるかもしれません。

昭和の時代、茶摘みの時期には近隣の住民が協力し合って、総出で手摘みをしていたところもあるそうですが、少子高齢化により摘む人も少なくなり、機械化やIT化で負担を軽くしようと進めているところですが、思うようには追いついていないようです。

大規模に生産できる静岡県や鹿児島県、宮崎県などでは、機械化が進み、生産量が増えているところもありますが、小さな産地では対応が追いつかず、お茶の生産自体が消滅する地域も出てきました。

紅茶としても利用

近年では緑茶としてだけではなく、紅茶としての生産も少しずつ増えてきました。

緑茶の消費が下がっている一方で、食に対する価値観の多様化により「和紅茶」が注目されています。
紅茶に適している品種があるのですが、やぶきたで紅茶が作れないというわけではありません
やぶきたで作る紅茶は口当たりの優しい、後味のサッパリとした味わいです。(あくまで個人的感想です)
やぶきたを紅茶として利用することで、収穫時期や作業量の分散を図っている農家さんも増えつつあります。

  紅茶についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/how-to-make-black-tea/

まとめ

いかがでしたか。

やぶきたは日本のお茶の中でもっとも多く栽培されている品種です。
近年の価値観の多様化の中で、お茶の品種別の味が求められるようになってきました。
人気の品種であるがゆえの弊害が今起こっていますが、日本茶文化の大きな変化の時期とも言えます。

お茶は苗木から育てて茶摘みができるようになるまで約4~5年かかります。
その変化を感じ取れるのには、もうしばらくかかるかもしれませんが、品種別の味や産地特有の味を楽しめるようになると、日本茶はもっと進化していくことでしょう。

都会ではすでに、アレンジした日本茶が味わえるお店が増え、その変化の兆しが見え始めています。
これからの日本茶がどう変わっていくのか、みなさんと一緒に楽しんでいければいいなと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。

  日本茶の種類についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/japanese-tea-type/

  煎茶についてはこちらをどうぞ  →  https://singucha.com/sencha-qa/

  紅茶についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/how-to-make-black-tea/