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抹茶はこうして作られる。抹茶の製造方法を解説。抹茶についてちょっとお得な情報です。

孤高の日本茶インストラクター、大西です。

抹茶(まっちゃ)を飲んだことがありますか?と尋ねると、「あります」と答えてくれる人は、まずまずいます。

では、抹茶がどのように作られているか、知ってますか?と尋ねるとほとんどの人が「知りません」と答えます。

日本の文化「茶道」に欠かせない抹茶ですが、どのように作られているのかって、ほとんど知られていないんです。

今日は、抹茶についてもう少し知りたいと思っている方に、どのように抹茶が作られているかを解説してみたいと思います。

この記事を読むと、もっと抹茶を身近に感じてもらえるちょっとお得な情報です。

抹茶は碾茶を粉にしたもの

抹茶といえば千利休が有名ですね。

戦国時代に「茶の湯」として完成されて、今も日本の文化として受け継がれている「茶道」。

この茶道で使われているのが「抹茶」です。

抹茶は碾茶(てんちゃ)と呼ばれるお茶を石臼で挽(ひ)いた微粉末状のお茶のことです。

「碾」という字は「うす」で「ひく」という意味があります。

碾茶の原料のお茶の葉は、玉露(ぎょくろ)を作るのと同じように長い間、覆(おお)いをかけて育てます。

他のお茶と違う点は、製造する工程で唯一揉(も)まないで作られるお茶ということ。

碾茶はそれ自体で飲むものではなく、抹茶として飲むものなので、揉まないほうが、微粉末にしやすいからです。※他のお茶は、製造する際に揉むという工程があります。

できあがった碾茶は一定期間貯蔵して熟成させてから、石臼で少量ずつゆっくりと挽(ひ)きます。

そうすることで、美しい色や香りの抹茶が出来上がります。

近年、抹茶はその健康効果も注目され、お茶に含まれる豊富な健康成分をすべて摂取できることも評価されています。

碾茶の作り方
蒸熱 → 冷却拡散 → 荒乾燥・本乾燥 → 選別 → 煉(ね)り乾燥

①蒸熱
摘み採った葉の余分なものを取り除くため、蒸し機に入れる前に篩(ふるい)機にかける。蒸気の浸透を助けてよ染りを良くし、むら蒸しを無くするという効果がある。蒸し時間は15~20秒程度。蒸す時間を短くすることで、緑色が冴えて「覆(おお)い香」が引き立つ。

②冷却拡散
散茶(さんちゃ)機は4~5個の送風機と同数のかや(あんどん)から成り、最後のかやは碾茶炉(てんちゃろ)の下段コンベアに連絡している。蒸した葉を、冷却散茶(さんちゃ)機という特殊な装置で、5m以上の高さまで吹き上げて落とすのを繰り返す。この工程で、蒸した葉を冷やしながら葉の表面の水分を飛ばし、くっついた葉同士をバラバラにする。これを4~5回繰り返したあと、蒸した葉は碾茶炉の下段コンベアに散布される。

③荒乾燥
乾燥には、碾茶炉(てんちゃろ)という専用の乾燥炉を使う。碾茶炉は耐火煉瓦(れんが)でできている。下部に火炉(かろ)と、その上には上・中・下3段のコンベアがあり、茶葉1枚1枚が重なり合わないように広げて乾燥させる。下段では2~3分かけて150℃以上で乾燥させる。これを荒乾燥という。

④本乾燥
下段を通過した茶葉は、ファンにより上段に吹き上げられる。上段の温度は100℃前後、通過時間は6~8分。そして中段のコンベアに移動され、9~10分で終了となる。上・中段での乾燥を本乾燥という。

⑤選別
葉と茎の水分の割合が違うので、切断分離機と唐箕(とうみ)にかけて葉と茎を分ける。

⑥煉(ね)り乾燥
仕上げ乾燥ともいう。本茶と茎を別々に乾燥させる。本茶は60℃で水分4~5%まで乾燥する(碾茶荒茶)
茎(骨ともいう)も充分に乾燥する(碾茶荒骨)
碾茶は、防湿の完全な茶箱などの容器に密封し、冷所で保管する。

碾茶の仕上げ加工
碾茶の荒茶を選別・整形することを「仕立て」と呼び、硬い葉や古い葉、茎などを取り除き、大きさ(5mm程度)に切り揃える。低い温度で時間をかけて乾燥させ、量や品質を安定させるためや、特徴を生かしたり欠点を消すために合組機(ごうぐみき)でブレンドし冷蔵保管する。

抹茶の製造

粉砕(挽上げ) → 篩い → 包装

碾茶の仕上げ茶を石臼(茶臼、挽き臼)で粉砕(挽き上げ)し、粉砕中に混入した碾茶の原葉などを除去するため篩機を通して抹茶ができます。

これを缶や袋に計量して包装します。

抹茶の粉径は1~20μ。良質なものは1~5μ。

石臼は放熱しやすいため、摩擦熱による茶の変質が少なく、石臼の摩擦熱が茶に伝わることで、抹茶らしい風味が引き立ち、挽かれた抹茶は、篩を通してから高温多湿を避け保管されます。

石臼1台の加工能力は40g/時間。

石臼による粉砕の特徴は、機械粉砕に比べて短時間で連続的なこと、粉砕効率が高いころ、粉砕作用が多種多様(圧縮・せん断・ひねり・剥離など)なことなどで、茶葉のような繊維質材料の粉砕に適しています。

このため、抹茶の粉形は長方形や不整型のものが多く、抹茶のように微粉末になると、茶葉以上に吸湿・変質を起こしやすいため、速やかに防湿包装し、低温保管します。

粉砕室は低温・低湿の空調管理をすることはもちろん、雑菌の侵入を防止し、雑菌を除去するシステムを備えた部屋が理想です。

まとめ

いかがでしたか。

茶道をしている方でも、抹茶がどのように作られているかを知ってる方は少ないと思います。

普段のんでるお茶でさえも知られていないのですから、当然と言えば当然かな。

これまでお茶に興味がなかった人が、少しでもお茶に興味を持つようになり、ペットボトルとは違う、急須で淹れるお茶や日本文化の茶道を通じて、お茶を飲んでくれるようになるとうれしいです。

みなさんのお茶生活が豊かになるよう、これからも情報発信していきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。