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紅茶の作り方とは?紅茶が製造方法をやさしく解説。 流行の和紅茶はこうして作られる!

孤高の日本茶インストラクター、大西です。

今日は紅茶の製造方法について解説します。

緑茶(りょくちゃ)と紅茶って同じ木からできるって本当?
そんな質問を受けることがあります。

本当です。

もちろん、緑茶に合う品種、紅茶に合う品種、というように、それぞれに適した品種の木というのはありますが、全く同じ木からでも作る事ができます。

紅茶好きの人に知ってもらいたい、ちょっとした豆知識です。

  お茶の品種についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/brand-yabukita/

紅茶はこうやって作られる

緑茶の中でも煎茶(せんちゃ)のお茶摘みは、九州の温暖な地域で4月上旬ころから、本州では4月下旬ころから行なわれます。

  日本茶の種類についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/japanese-tea-type/

  煎茶についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/sencha-qa/

和紅茶を作っている知人は、5月上旬に紅茶の製造を始めていいます。煎茶の時期とあまり変わりません。
農家さんや産地によって違うのであくまでも目安です。

①オーソドックス製法

摘み採る葉は「一芯二葉」が良いとされています。これは煎茶も同じです。
茶摘みのあとの工程は、次のとおりです。

萎凋 → 揉捻 → 玉解き・篩分け → 発酵 → 乾燥 → 仕上げ

1.萎凋(いちょう)
摘み採られたお茶の葉は、風通しの良い萎凋室に運ばれて網状の棚に広げる。萎凋とは、お茶の葉を萎(しお)れさせ軟らかくして、揉みやすくすること。また、お葉の葉の酵素を働かせ、香りや味を変化させる。
温度は25℃前後、湿度は60%以下がよく、15~18時間くらい萎凋させる。
この時に果実のような香りがする。

2.揉捻(じゅうねん)
萎凋して柔らかくなった葉を強く揉むことで、お茶の葉の組織や細胞を壊して、発酵が早く進むようする。
こうすることで紅茶の香りや色、味ができてくる。

3.玉解き・篩分け(ふるいわけ)
揉捻によって塊になった葉に圧力をかけて解きほぐし、篩分けして、篩を通ったものは発酵させる。
篩に残ったものはもう一度揉捻する。

4.発酵(はっこう)
篩分けた葉を棚に広げて、温度20~25℃、湿度100%に近い環境で1~2時間発酵させる。

5.乾燥(かんそう)
適度に発酵した葉を、100~105℃の熱風で乾燥させる。

6.仕上げ
最後に茎や粉を取り除いて、リーフスタイルやブロークンスタイルに合わせて、大きい葉は切ったり篩分けをして形を整えていく。一般的にメーカーなどは、色んな葉を買い集めてブレンドして整え、商品として販売している。

②CTC製法

現在の紅茶製造の主流です。揉捻したあとの葉を「CTC機」と呼ばれる機械にかける方法です。

萎凋 → ローターバン or 揉捻 → CTC → 発酵 → 乾燥

CTC機とは、Crush(潰す) Tear(引き裂く) Curl(丸める)を行う機械で、頭文字をとって「CTC」と呼ばれます。
ローターバンとは、圧搾、裁断を行う機械のことです。
世界では紅茶の生産量がもっとも多く、効率化を図るために機械化が進んでいます。

和紅茶ブーム到来

近年「和紅茶(わこうちゃ)」という言葉をチラホラと聞きます。
紅茶の業界というよりお茶業界が賑わっていますね。お茶好きのお客さんから聞いたりもします。

紅茶の歴史について少し触れてみましょう。

もともと日本でも紅茶の生産は行われておりましたが、戦後、海外のブランドに押される形で、ほとんど作られることは無くなりました。ところが近年では緑茶を飲まない人が増えてきて、緑茶の消費が落ちてきました。ペットボトルのお茶は売れているのですが、急須(きゅうす)が食卓から消え、お茶の葉自体を買う人が少なくなってきたのです。
そこで再び注目され始めたのが紅茶です。

緑茶と紅茶は、適している品種に違いはありますが、まったく同じ茶の木でも作ることができます
味わいは海外のブランド紅茶とはちがう、サっパリとした印象。「和紅茶」という名前がピッタリくるような感じです。こうして、緑茶文化が下降しつつある中、紅茶文化が独自に進化してきました。

  品種についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/brand-yabukita/

まとめ

いかがでしたか。

少し専門的な言葉もでてきて難しい部分もあったかもしれませんが、イメージはつかめたでしょうか。
近年では国産紅茶が注目されつつあります。
毎年、全国の紅茶生産農家さんが集まって開催されるイベントもあり、和紅茶のブームが来ています。
製造の過程や茶畑を知っておくと、より自分の好みに近い紅茶を手に入れる事もできるでしょう。
そのうち紅茶畑の見学ツアーなんかもできるかもしれませんね。

和紅茶という新しい文化が芽生えてきました。
これからも和紅茶の文化が広がって、みなさんの紅茶生活が豊かになればいいなと思っています。
もちろん日本茶も美味しいし体にいいので、飲んでくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。

  日本茶の種類についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/japanese-tea-type/

  煎茶についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/sencha-qa/

  品種についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/brand-yabukita/