雨の日に読みたいおすすめの絵本を教えてほしい。
そんな疑問にお応えします。
たくさんある雨の日の絵本の中でも、雨の情景だけじゃなく「大切にしなければならないものはなにか」を教えてくれる絵本です。
知ってる人は知っている韓国の傑作絵本。
雨の日に限らず一度は読んでおきたいおすすめの絵本です。
【おすすめ絵本】韓国の傑作絵本『ヨンイのビニールがさ』
おすすめの絵本はこちら
作 / ユン・ドンジェ
絵 / キム・ジェホン
訳 / ピョン・キジャ
発行 / 株式会社岩崎書店
初版 / 2006年5月30日第1刷発行
読み聞かせの時間 / 約4分
ヨンイは韓国の
『ヨンイのビニールがさ』より
小学生の女の子。
雨のふる月曜の朝、
道ばたにすわっている、
ものごいのおじいさんを
見かけました…。
おすすめのポイントは3つ
・韓国の風景
・韓国のことば
・韓国ではどう感じるのか
1つずつ解説していきます。
おすすめその① 韓国の風景
少し物悲しい感じの色合いが、雨の日の雰囲気と「ものごいのおじいさん」を表しているように感じます。
その色合いの中で、緑色のビニールがさと黄色い服は、主人公のヨンイの存在を引き立てています。
よく見るとうっすら透けて見え、穴の開いている傘ですが、ヨンイが大切にしている傘だということは、自然と読み取ることができます。
また、この絵本のもとになった詩『ヨンイのビニールがさ』は1980年の初めに発表されたもので、そのころの韓国は高度経済成長期。
次第に豊になっていく時代ですが、庶民の生活はまだまだ厳しかったそうです。
その時代背景も読み取れる描写であり、かつての韓国の風景を垣間見ることができます。
おすすめその② 韓国のことば
絵本に出てくる文章はそれほど多くはなく、短くてわかりやすい言葉がほとんどです。
原作は韓国語で書かれているので訳されている絵本ですが、違和感なく読むことができます。
受け取れるメッセージはひとそれぞれ違うと思うので、「こういう意味です」と言うのではなく、それぞれが感じるままに触れてほしい文です。
日本語訳の絵本ですが、もし韓国語がわかるようなら、原作本も読んでみるとまた違う印象になるかもしれませんね。
おすすめその③ 韓国ではどう感じるのか
道徳的な意味で捉えられそうな絵本ですが、できるだけ自然に感じるままに読んでほしい絵本です。
これまでの日本では教科書などに掲載されつい「こうあるべき」と捉えられがちですが、解釈に正解はない類の絵本だと思いますので、自由に読みましょう。
子どもと一緒に読んだ後に「どう感じた?」とお互い感想を話し合うのもいいかもしれませんね。
もちろん、感じたことは違っていいので否定はせずに。
韓国ではどんな風に読まれているのかを想像してみるのもいいですね。
まとめ
おすすめのポイントを解説してきましたが、まずはそのまま読んでみて、感じたことを大切にしてほしいなと思います。
ポイントは参考までに、それぞれでこの絵本の良さを味わってください。
絵の印象、ことばの意味、ヨンイの行動、ひとつひとつから多くを感じられるでしょう。
雨の日だけじゃなく、一度きりじゃなく、何度も読み返してほしいおすすめの絵本です。
韓国の傑作絵本『ヨンイのビニールがさ』でした。