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烏龍茶の作り方を解説。半発酵茶の烏龍茶。 製造方法の違いが種類の違いです。

孤高の日本茶インストラクター、大西です。

今日は烏龍茶(うーろんちゃ)のお話しです

「烏龍茶っどうやって作られるんだろう?」
そんな質問を受けることがあります。

飲食店のメニューに必ずといっていいほど載ってる烏龍茶。
なんでメニューに載ってあるのか。理由を調査してみると…

・ジュースだとご飯が食べられない
・見た目がウーロンハイのようで、場をしらけさせない
・緑茶がいいけど、緑茶はタダで飲めるイメージ
・店側のコストの都合

などなど

僕はてっきり「料理にあう」という理由が一番かと思ってましたが、意外にもそれ以外の理由がこんなにもあったとは。

そんな身近にある烏龍茶ですが、日本茶と同じように詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

今日は烏龍茶について、製造工程を中心に解説します。
国産烏龍茶も作られるようになってきた今、烏龍茶について知ってると、これからちょっとお得かも!?

烏龍茶はこうして作られる

烏龍茶は、中国では青茶(あおちゃ。もしくは、チンチャ)というジャンルに分けられます。
さらに、青茶は製造方法の違いから烏龍茶と包種茶(ほうしゅちゃ)の2種類に分けられます。

不発酵茶緑茶
半発酵茶青茶
中国茶弱発酵茶白茶
全発酵茶紅茶
後発酵茶黄茶
黒茶

  日本茶の種類についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/japanese-tea-type/

  紅茶についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/how-to-make-black-tea/

①包種茶(ほうしゅちゃ)

作られる時期は、春や秋で、摘み採られる葉は柔軟で厚みのある葉、淡い緑色のものが良いとされています。
摘み採られた葉は、広げて熱がこもらないようにして作っていきます。

包種茶の製造工程
日干萎凋 → 室内萎凋 → 炒葉 → 揉捻 → 乾燥

①日干萎凋(にっかんいちょう)
摘み採った葉を日光に当てて、時々、葉を返すようにして混ぜる。葉の温度が高くなりそうな時は覆いなどをして温度が上がりすぎないようにする。天気の良い日は10~20分、日光が弱い時は30~40分くらいかけて萎凋する。 手で持つと柔らかく、青臭い感じが無くなるくらいが目安。

※萎凋(いちょう)とは、葉を萎(しお)れさせ、軟らかくして揉みやすくし、お葉の葉の酵素を働かせて香りや味を変化させること。

②室内萎凋(しつないいちょう)
日干萎凋した葉を、さらに室内で萎凋させる。1~2時間くらい置いたあとに最初の撹拌を1分程度、軽く行う。その後は1~2時間ごとに4、5回ほど撹拌する。撹拌はあとになるほど強くし、時間を長くする。(撹拌が強すぎると、苦渋味を持つようになってしまう。撹拌が足りないと、包種茶特有の香気が出ず、青臭味が残ってしまう)最後の撹拌から2~3時間くと、すがすがしい香りを発するようになる。

※撹拌とは、かきまぜること。

③炒葉(いりは)
釜で炒ることで発酵を止め、揉捻(じゅうねん)しやすくするために行う。手炒り釜や炒葉機(いりはき)を使用する。160~180℃に加熱した釜で葉を炒る。手で握ると軟らかく、青臭さが消えて芳香が鼻をつくようになった状態がよい。

④揉捻(じゅうねん)
葉の形を整え、成分が溶け出しやすくするために行う。炒葉後に熱を少し取ったあとに揉捻する。揉捻時間は10分くらい。揉捻が終わると塊になっている葉をほぐして解いていく。

⑤乾燥(かんそう)
乾燥は、高温で発酵を完全に止めて青臭味を取り除き、渋味を軽くして香味を調え、保存性をよくする。乾燥機では100℃前後の熱風で約30分くらい乾燥させる。

②白毫烏龍茶(はくごううーろんちゃ)※別名「東方美人(とうほうびじん)」

白毫烏龍茶の作られる時期は夏場で、半発酵茶の中では発酵程度が高く、外観は紅茶のようにも見えます。
白毫烏龍茶の製造方法の特徴は、炒葉の後に回軟(かいなん)という作業をしてから、揉捻に取り掛かる点です。摘み採る葉は柔らかな一芯二葉摘みとし、包種茶より品質の良い葉を使用します。

白毫烏龍茶の製造工程
日干萎凋 → 室内萎凋 → 炒葉 → 回軟 → 揉捻 → 乾燥 

①日干萎凋
萎凋の時間は包種茶よりも長い。所要時間は約1時間。

②室内萎凋
室内萎凋と撹拌も包種茶と同じ要領で行う。包種茶より回数は多くて力は強くするが、1回目、2回目の撹拌は軽く、葉を傷つけないようにする。熟した果物のような匂いがしてきたら炒葉に移す。

③炒葉 
炒葉の温度は包種茶の場合より低くする。青臭が消え熟した果物の香りが出て、手で握ると乾いてやや脆くなるくらいが目安。

④回軟・揉捻
炒った茶葉を、清潔な水で湿らせた布で包み、10~20分ほど寝かしてから葉を柔らかく揉む。時間が短め。

⑤乾燥
玉解きした葉を乾燥するが、包種茶の場合より約10℃低い熱風で乾燥させる。

まとめ

いかがでしたか。

日本でも烏龍茶を作り始めた農家さんがいます。これから国産烏龍茶のブームがくるかもしれません。
時代を先取りして、烏龍茶のマメ知識として「作り方」を知っておいて損はしませんし、日本茶以外にも烏龍茶や紅茶のこだわりが注目される日がくると思います。

難しい言葉もありましたが、烏龍茶ができるまでのしくみを解説してきました。
烏龍茶も、緑茶や紅茶と同じようにお茶の木からできています。
広い意味では、日本茶も中国茶も紅茶もぜんぶ同じ茶の木からできているお茶の仲間です。

お茶の世界は広いし深いですが、逆に言えばいくらでも好きになれるということ。
烏龍茶は美味しいお茶です。たくさんある中から、こだわりの烏龍茶を見つけてくださいね。
もちろん、日本茶も美味しいし体にいいので、ぜひ飲んでください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。

  日本茶の種類についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/japanese-tea-type/

  紅茶についてはこちらをどうぞ → https://singucha.com/how-to-make-black-tea/