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【おすすめ絵本】春に読みたい黄色い花の絵本『たんぽぽ』

春になると読みたいおすすめの絵本を教えて。

そんな疑問にお応えします。

春になるとたくさんの花が咲き始めますよね。

花の絵本を読みたいな。

そんなときは、春の花のおすすめ絵本『たんぽぽ』をどうぞ。

【おすすめ絵本】春に読みたい黄色い花の絵本『たんぽぽ』

今回おすすめする絵本はこちら

作・絵 / 甲斐信枝
発行  / 株式会社金の星社
初版  / 1984年2月初版
読み聞かせの時間 / 約6分

はるが いっぱいになる。
たんぽぽは おおきな はなを
とくいそうに さかせる。
さむい ひは、いそいで
ねむる。
あたたかい ひは、ゆっくり
ねむる。

みどりの ほっぺたが、
ふくらんでいる かれた
はなびらのしたに、
なんだか しろいものが
みえる。
わたげだ!
まっしろの わたげだ!

『たんぽぽ』より

おすすめのポイントは3つ

・たんぽぽの存在感
・たんぽぽの表現方法
・たんぽぽの生命力

1つずつ解説していきます。

おすすめその① たんぽぽの存在感

たんぽぽが花を咲かせるところから、綿毛として種を飛ばし、そしてまた花を咲かせようと準備をするという、たんぽぽの一年が描かれています。

雨の日や夕暮れ時のたんぽぽの様子も描かれていて、たんぽぽの知られざる生育状況も知ることができます。

見開きページいっぱいに描かれたたんぽぽは、ダイナミックに迫ってきます。

ほかにも、たんぽぽの高さを表現する工夫や色の濃淡を使うことで季節感が伝わってきて、読む人を飽きさせない工夫がされています。

おすすめその② たんぽぽの表現方法

作者の甲斐信枝さんはあとがきで「たんぽぽに対して命あるもの」として接していることを述べられています。

たとえば「たんぽぽは あんしんして せいを のばす」や「おおきな はなを とくいそうに さかせる」「ゆうがた、たんぽぽが ねむる」など、人が行動するときに使う表現と同じ表現をつかっています。

たんぽぽも「生きている」ものとして表現することで、植物にも限りある命があることを子どもたちに分かりやすく伝えることができますね。

おすすめその③ たんぽぽの生命力

たんぽぽの綿毛が描かれているページに注目して見ると、その細かい描写に驚きます。

綿毛の「ふんわり感」が伝わってきて、綿毛が飛び立つ場面は感動的です。

科学絵本のようにも読むこともできる『たんぽぽ』ですが、一番の魅力はたんぽぽの生き生きとした生命力です。

たんぽぽを見ると何度でも読みたくなる絵本です。

まとめ

たんぽぽの一年を知ることができる『たんぽぽ』。

細かい描写から科学の絵本としても読めますが、たんぽぽの高さを表現する工夫やダイナミックな表現の工夫など、絵と文以外のところにもこの絵本のおもしろさがあります。

表現や文章からたんぽぽの生命力を充分に感じ取ったら、他の絵本には少ないこの工夫された特徴もぜひ楽しんでみてください。

ほかの絵本でもまた違う楽しみかたを発見できるでしょう。

春に読みたいおすすめの絵本『たんぽぽ』でした。