夏休みに読みたいおすすめの絵本を教えて。
そんな疑問にお応えします。
子どもの夏休みの過ごし方は、子育てしているお母さんたちにとっても「夏のテーマ」ではないでしょうか。
「こんなふうに夏休みを過ごしてもらいたい」
そう思ってもらえる絵本をご紹介します。
『まほうの夏』は、主人公のお母さんの「いなか」を舞台にした、兄弟の成長をさわやかに伝えてくれる絵本です。
夏休みは親子で成長するチャンス。
夏休みのイチオシ絵本です。
【おすすめ絵本】夏休みに読みたいおすすめの絵本『まほうの夏』
おすすめの絵本はこちら
作 / 藤原一枝・はたこうしろう
絵 / はたこうしろう
発行 / 株式会社岩崎書店
初版 / 2002年5月10日第一刷発行
読み聞かせの時間 / 約8分
夏休み――
おとうとと二人で
お母さんのいなかへ行った。海べの町だけど、
『まほうの夏』より
森もあった。
川もあった。
友だちもできたよ。
ぼくたちをまっ黒にした
――まほうの夏だった。
おすすめのポイントは3つ
・夏休みの舞台
・夏休みのキーワード
・一昔前の夏休み
1つずつ解説していきます。
おすすめその① 夏休みの舞台
ものがたりの舞台は、主人公のケイとユイのお母さんの「いなか」です。
作者の藤原一枝さんは愛媛県松山市の出身。
「いなか」の場所の記述はありませんが、描かれている絵には舞台が「松山」と思われる描写がいくつもあります。
たとえば「おじさん」が営む理容店の店名が「MATSUYAMA」だったり、看板に「松山駅スグ」と書かれていたり「路面電車」が描かれていたりと。
松山市出身の方が読めばすぐにわかると思います。
田舎を舞台にした絵本には作者の「むかし」が反映されていることが多く、描かれている絵からは、作者の爽やかな過去の映像を観ることができます。
『まほうの夏』では、藤原一枝さんとはたこうしろうさんの「いなか」も一緒に描かれているのかもしれませんね。
おすすめその② 夏休みのキーワード
『まほうの夏』で使われている言葉は夏休みらしさが満載です。
「学校のプールとゲームと麦茶。それとポテトチップス」や「虫とり」「木のぼり」「オニヤンマ」などなど。
さらに、はたこうしろうさんの絵が夏休みのキーワードを引き立てていて、一気に夏休みの世界へ連れていってくれます。
いつの時代も子どもたちは夏休みが楽しみだし、こんな風な過ごし方に憧れるのかもしれません。
とくに男の子にとっては、ひと夏の体験が子どもたちをおおきく成長させてくれるのでしょう。
主人公のケイとユイの言葉に、この夏の成長を感じることができます。
おすすめその③ 一昔前の夏休み
『まほうの夏』の時代背景は、描かれている風景からして「昭和」の香りが漂います。
今の時代ではどこにいても「インターネット」が生活の中心にあります。
ただ、そんなデジタルの時代でも「夏休みはこんな過ごし方がいいな」と思えるのではないでしょうか。
それはどんなに時代がすすんでも変わらない「価値観」があるということ。
はたこうしろうさんの絵が、変わらない価値観をすがすがしい感動とともに伝えてくれます。
日常では忘れている「大切にしたいもの」が『まほうの夏』には込められているような気がします。
まとめ
「いなか」を舞台にした絵本はたくさんあります。
『まほうの夏』もそのうちのひとつですが、どこか懐かしさを感じることのできる「夏休み絵本」です。
主人公の冒険と成長を通して、自分が過ごした「夏休み」をお子さんに話してあげるのもいいかもしれませんね。
夏休みに読みたいおすすめ絵本。
『まほうの夏』でした。