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【おすすめ絵本】昔話と言えば『かさじぞう』名作です。

昔話の絵本を探しています。おすすめ絵本があれば教えてほしい。

そんな疑問にお応えします。

今回のおすすめの絵本は、再話/瀬田貞二さん、画/赤羽末吉さんの『かさじぞう』です。

特に年末年始にかけて読みたい絵本として昔からある名著です。

注目したいのは、お地蔵様の表情、セリフ、再話の3点。

この絵本を読むと、自然とお地蔵様に手を合わせてしまうような、心あたたまる名作です。

【おすすめ絵本】昔話と言えば『かさじぞう』名作です。

おすすめの絵本はこちら

再話 / 瀬田貞二
画  / 赤羽末吉
発行 / 福音館書店
初版 / 1966年11月1日初版

おすすめのポイントは3点

・かさじぞうの表情
・かさじぞうのセリフ
・再話『かさじぞう』

1つずつ解説していきます。

おすすめポイントその① かさじぞうの表情

赤羽末吉さんの絵は「ザ・昔話」と言いたくなるような表情の登場人物が出てきます。

この『かさじぞう』では、じいさん、ばあさん、おじぞうさまが出てきますが、どの人物の表情もなんともいい顔をしてます。

その中でも、雪をかぶったお地蔵様が出てくる場面がありますが、なんとも切ない表情をしています。

そして、おじいさんが笠をかぶせたあとの表情を見ると、なんだか穏やかな顔になっています。

赤羽さんが意図的にそう描いたのか、自然とそうなったのかは分かりませんが、お地蔵様の気持ちが読み取れる場面です。

その他にも細かい所に注目してみると、縁取りが扇形で昔話風であったり、表紙裏の地蔵様と最後のページの地蔵様の絵が違ったりと、絵本の楽しみ方が満載であることに気づきます。

1966年の古い絵本ですが、その頃から絵本にはたくさんの仕掛けがあったことがうかがえます。

おすすめポイントその② かさじぞうのセリフ

お話は瀬田貞二さん。

昔話らしい言葉がたくさん使われています。

例えば「~と。」昔話や民話などでよく使われる表現です。

「じいさんと ばあさんと あったと。」訳してみると「おじいさんとおばあさんがいたそうな。」って感じでしょうか。

前後の文脈から意味を読み取る練習にもなるかもしれませんね。

ほかにも「ゆきが もかもかふってきたので」や「のっこのっことかえっていったと」など、独特の表現があります。

昔の言葉を聴くことは、小さい子どもたちにとって表現の幅が広がる刺激となるでしょう。

おすすめポイントその③ 再話『かさじぞう』

再話:伝承的な昔話や伝説を、歴史的な資料として忠実に記録するのでなく、現代的な感覚や用語で文学的に表現したもの。 また、その作業。

引用:コトバンク

とあります。

瀬田貞二さんの お話では、おじいさんが編笠をあんでいますが、着物を売って笠と交換する話や、お地蔵様が7体いた話など、同じ「かさじぞう」の話でも話の内容が違っています。

どれも同じようなお話ですが、最後まで読むと心あたたまるエピソードに違いはありません。

おばあさんも、何も収穫の無かったおじいさんを責めるわけでもなく、あたたかく迎えていますよね。

子どもに読み聞かせる絵本ですが、じつは大人も読むべき絵本なのかもしれません。

まとめ

日本人なら誰もが知っているお話『かさじぞう』。

道徳的なお話をするのではなくて、昔話ならではの雰囲気をそのまま楽しんでいただきたい絵本です。

感じ方はいろいろです。

どう受け取るかは、受け取る側にまかせて、ぜひ子どもたちと昔話の世界を楽しんでください。