夏に読みたいおすすめの絵本を教えてほしい。
そんな疑問にお応えします。
雨と遊ぶ主人公の男の子。
彼には雨の声が聞こえる。
たくさんある夏の絵本の中でも独特の感性で夏を感じることができる絵本『どしゃぶり』。
夏の色で描かれた絵と詩のような文。
何度も読み返したい絵本です。
【おすすめ絵本】夏の夕立にピッタリの雨の絵本『どしゃぶり』
おすすめの絵本はこちら
ぶん / おーなり由子
え / はたこうしろう
発行 / 株式会社講談社
初版 / 2018年6月12日
読み聞かせの時間 / 約5分
ばらばらっ
じゃばばば
ぶっしゃーん……。にぎやかな、あめのおと。
おおきいあまつぶ、
ちいさいあまつぶ。
たっぷりのみずたまり。
あめのにおい。あめのこえが きこえるよ。
『どしゃぶり』より
どしゃぶりとあそぼう!
おすすめポイントは3つ
・夏の夕立
・雨の声
・夏の色
1つずつ解説していきます。
おすすめその① 夏の夕立
『どしゃぶり』では描かれている絵のアングルが特徴的で、他の絵本にはあまり見かけない構図で描かれています。
たとえば、絵本の前半で雨が降り始めます。
この雨が降ってくる様子を描いている絵では、主人公の男の子が空を見上げるアングルで描かれています。
第三者の目線で男の子を見ているのではなく、「空が彼を見ている」ような構図です。
このアングルによって彼の表情がよくわかり、雨に対して関心が湧いているのが自然と伝わってきます。
ここから彼と雨との会話が始まりますが、このように主人公の男の子の表情がわかる構図がたくさん描かれているので、彼の気持ちを感じ取りながら読むことができます。
ぜひ彼の気持ちになって読んでみて下さい。
子どもたちはもちろんですが、読み聞かせをするわれわれ大人も、きっと夏の夕立への感じ方が変わると思います。
おすすめその② 雨の声
主人公の男の子には「雨の声」が聞こえるようです。
「ぼくのところに あめのこえが ふってくる」
彼はこのあと、雨とたくさんの言葉を交わしながら「どしゃぶり」と一緒に遊びます。
『どしゃぶり』では描かれている絵とたくさんの「あめのこえ」を通して、主人公の男の子の感性が伝わってきます。
「あめのこえ」を聴くことができる大人は少ないと思いますので、夕立が降ってきたときは、お子さんと一緒に「あめのこえ」に耳を傾けるといいですね。
子どもの頃はきっと、みんなそんな感性を持っていたと思いますので、聴こうとがんばってみると、何か感じ取れるかもしれません。
何も感じないときは、お子さんに教えてもらいましょう。
それもまた、コミュニケーションのひとつです。
おすすめその③ 夏の色
はたこうしろうさんの絵の色は、意識しなくても夏の雰囲気を伝えてくれます。
たとえば最初のページの空の色や雲の色、木々の色は、一瞬で夏の景色を目の前に広げ、文とともに「暑さ」も伝えてくれます。
ほかにも、どしゃぶりの雨の色や水滴の透明な色、雨上がりの空などなど。
どのページにも夏らしい雰囲気があり、まさに暑い夏の季節にぴったりの絵本といえます。
まとめ
夏に読みたいおすすめの絵本はたくさんあります。
「あめ」についての化学的な絵本もおすすめですが、感性を磨くという意味では、あめのこえが聞こえる『どしゃぶり』がおすすめです。
お子さんが雨でびしょ濡れになりながも、気にせず遊んでいたらつい叱りたくなってしまいます。
叱る前に「あめのこえ」について聞いてあげられるような感性を、われわれ大人が持っておきたいですね。
夏のおすすめ、雨の絵本『どしゃぶり』でした。