春になると読みたいおすすめの絵本を教えて。
そんな疑問にお応えします。
春にはたくさんの草花が咲き、優しい気持ちになれますよね。
つくしもそんな草花のひとつ。
道ばたに一生懸命に伸びるつくし。
甲斐信枝さんの優しい絵でつくしを勉強しましょう。
【おすすめ絵本】春の野草のおすすめといえば『つくし』です。
今回おすすめする絵本はこちら
作 / 甲斐信枝
発行 / 株式会社福音館書店
初版 / 1994年3月1日 かがくのとも発行
読み聞かせの時間 / 約7分
読んであげるなら / 4才から
じぶんで読むなら / 小学校初級から
おすすめのポイントは3つ
・つくしの風景
・つくしの説明文
・つくしから季節への興味
1つずつ解説していきます。
おすすめその① つくしの風景
甲斐信枝さんのつくしの絵はどこか温かさが漂います。
野原に生えたつくしは、ほかの春の草と一緒にやさしい線で描かれていて、春らしい淡い色からは季節感がよく伝わってきます。
絵本の中盤からは土の中の様子がわかります。
つくしとスギナ、玉状のものや根の断面など、つくしについて植物図鑑のように詳しく描かれていて、科学絵本らしい学びのページがつづきます。
みなさんはつくしが胞子を飛ばしたあと、どうなっていくのか知っていますか。
スギナって何か知っていますか。
つくしについて知らないことはたくさんあります。
甲斐信枝さんの絵本を通して、つくしの一年間の生態が学べます。
おすすめその② つくしの説明文
『つくし』は小さい子でも読めるようにひらがなで書かれています。
また分かりやすい言葉で表現している点も特徴です。
たとえば最終ページで
本文中、ツクシ・スギナの地下の茎を、地上の茎と区別する意味で「ねっこ」と表現しましたが、正確には、この部分は「地下茎」です。ツクシ・スギナの根は、地下茎の節から出ているひげ状のものです
『つくし』より
とあります。
厳密にいえば「ねっこ」ではありませんが、小さい子にはその表現の方が分かりやすいですよね。
読み手に伝わりやすいような表現やことばを使っている点は、科学の本でありながらも図鑑とは違う良さがあります。
おすすめその③ つくしから季節への興味
春になるとつくしが生えてくることは知っていますが、どんなふうに育っているのかを知っている人はほとんどいません。
つくし以外の春の草花も、その生態については知らないことがほとんどだと思います。
『つくし』にはいろんな春の草花も描かれています。
つくし以外に描かれている草花にも注目して、春という季節を感じられるように読んであげられると、この絵本を最大限に楽しむことができるでしょう。
ぜひ隅々まで見てみて下さい。
甲斐信枝さんの『たんぽぽ』も描かれています。
まとめ
描かれているつくしはやさしい線とやさしい色あい。
文章からは読み手に対して、植物への興味、関心をもってもらえるようなことば選び。
甲斐信枝さんの植物に対する思いが込められている気がします。
そのまま読むだけではもったいない学びの多い科学絵本です。
つくしを見て春を感じたら、ぜひ読んでみてください。
春をもっともっと楽しむことができます。
春のおすすめ絵本『つくし』でした。