人口減少社会に挑む!これからのまちづくりに必要な視点とは

人口減少問題が叫ばれて20年以上が経ちましたが、その抜本的な解決策は示されないまま「令和」という新しい時代がスタートしました。

どこか行き詰った感がある社会の中でも、まちづくり人はそれぞれのフィールドで、日々模索しながら前進を続けているように見えます。

まちづくり人のフロンティアスピリッツには本当に頭が下がります。

今回、12月14日に開催された「"人口減少社会に挑む!"フォーラム2019」で学び感じた事を記事にしました。

この記事が、まちづくりに関わっているすべての人の問いかけになれば幸いです。

人口減少社会に挑む!これからのまちづくりに必要な視点とは

【結論】これからも変わり続けませんか

みなさんひとりひとりの「答え」が違っていいと思っているので、結論は問いの形です。

誤解を恐れずに言えば「変わり続ける必要がない」という考えの人もいていいと思っています。

価値観が多様化している中で、ひとつの答えになるわけが無いと考えています。

フォーラム2019の中で、愛媛大学・笠松先生が講演された内容をもとに、人口減少問題を考えていきます。

2つの問題点

出典元:愛媛大学・笠松先生

・社会のしくみ
・お金のしくみ

ひとつずつ見ていきます。

社会のしくみ

出典元:愛媛大学・笠松先生

人口減少の現状を見てみましょう。

日本の人口は2010年約1億2,000万人をピークに減少し、2050年には約9,700万人になると言われています。

人口減少はすでに始まっており、これまでの生活や価値観を維持するのであれば、これまでの制度が通用しなくなるのは当たり前のことです。

どこか歪み始めているような気がしませんか。

これまでの制度は「人口が増える」を前提に作られているものです。

ではこれからの制度は「人口が減る」を前提に作られないといけないのではないでしょうか。

制度とは誰を対象とするのでしょうか。

国民全員が恩恵を受けられる制度とはどのような制度でしょうか。

今の制度をそのまま活用するのであれば、こちらを救えばあちらが救えない現状がおこるでしょう。

新しい制度を作ることが難しいのなら、そもそも社会の仕組みそのものを変えていかなければならないという結論にいたります。

笠松先生が講演の中で提示していたのが、

出典元:愛媛大学・笠松先生

経済性(安い、便利、成長) → 持続性(環境、暮らし、資源、経済)
大規模・集中(スケールメリットと合理化) → 小規模・分散(資本・経済の範囲の再設定)
専門分化(単一化・複雑化) → 多業・複合(マルチワークスタイル)
個の優先(資源利用増大・コスト高) → コミュニティの再評価(金額に出ない暮らしの機能)

です。

具体的な方法はたくさんあると思います。

それをみんなで考えていきませんか。

お金のしくみ

出典元:愛媛大学・笠松先生

地方の経済について考えてみましょう。

日本経済全体が伸びていない中で、地方の経済が伸びるのは難しいことかもしれませんが、そもそも地方のお金はどこから入ってどこへ消えていくのでしょうか。

原料や資材は、都市部の商社など地元以外の企業を介して、海外から仕入れて地方で製造し、都市部で消費されます。

お金は消費地である都市部から、生産地である地方へ移動しますが、原料資材の仕入れ先である海外へ出てったり、支社支店を介して、本社のある都市部へ移動してしまいます。

地方で循環するお金は少ないので、地方の産業や経済は伸びません。

むしろお金が無い地方より、お金がある都市部へ移動する「人」が増え、お金も人も地方から無くなります。

地方にお金が残る仕組み、地方でお金が循環する仕組みを作る必要があるということです。

事例報告

この二つの問題点についてヒントとなり得そうな事例として、4つの事例報告がありました。

①「人を増やすしくみをつくる」 冨田 敏 氏(伊予市移住サポートセンター「いよりん」)
「地域おこし協力隊」として、都市部から人を呼び込むという方法です。移住推進についても、取り組み始めて10年近くが経ちました。一定の成果も見えます。何を目標とし成功とするかはそれぞれの地域で異なりますが、人を増やす仕組みの手段の一つとして効果的な方法だということが分かってきました。

②「みんなで支える社会をつくる」 重見丈典氏(面河地区地域運営協議会「だんだんおもご」)
地元のコミュニティーを再構築しましょうという内容です。例えば、公共交通機関の利用が難しい地域において、病院や買い物に行きたくても移動手段がないお年寄りなどに対して、地元の人によるデマンド交通の整備などが挙げられます。これらを整備する際には条例等の改定も行われる必要があり、地域それぞれの現状にあわせた柔軟な考え方が必要でしょう。

③「地域資源から生業をつくる」 福垣内 暁 先生(愛媛大学社会共創学部)
地元にある資源を活用し、新しい商品を開発すること。事例では「バショウ」という植物を活用し、和紙を作る取り組みが紹介されました。原料を海外から賄うのではなく、地元から賄うという視点です。新たな地域資源を探すということは、地元の可能性を知ることにもつながります。生業をつくる作業はお金を呼び込み、地域でお金を循環させるためにも重要なことです。

④「人が還るしくみをつくる」 三崎高等学校
地域を知る、地域と関わることについて、学校の授業として取り組み、子ども達の心を育てるというアプローチ。進学で町を離れても、戻ってきたいと思う心、生まれ育った地域を「誇り」感じる心、「地元愛」を育むこと。この取り組みを始めて5年目になるそうで、成果を感じられるようになったとのことでした。

出典元:愛媛大学・笠松先生

これら4つの事例をヒントに、それぞれの地域で人口減少社会と向き合っていきませんか。

まとめ

まちづくりに正解は無いと考えています。

どんな実践も考え方もあっていいと思っています。

何もしなければいいという考え方さえもあります。

ひとつだけ確実に言えることは「選べる」ということです。

あなたは「実践者」になれます。「協力者や参加者」になれます。

「傍観者」にもなれます。

この場合の「者」の定義については、幅広い解釈ができますが、「良い悪い」をいうつもりはありません。

どれを選択してもいいんです。誰もそれを批難できません。

批難していいのは、その選択をした「本人」だけ。

「あなた」はどの選択をしますか。という問いです。

自分で選んで進めばいい。考え方は途中で変えてもいい。変わってもいい。

「大きな転換点を迎えている世の中で、考えながら時代に流れていくことが大切。考えずに流れていては不平不満は変わらない。自分が変わる事。考えながら流れていく人が、人口減少社会に挑めるのではないでしょうか」笠松先生との会話

僕は変わり続けながら「実践者」になりたいと思います。

考えながら流れていく人として「人口減少社会」に挑みたいと思います。

これは「僕にとっての答え」です。

みなさんもそうしましょうという事ではありません。

僕にとっての「答え」にすぎません。

みなさんひとりひとりの「答え」を持って、人口減少社会に挑むときに、新しい世の中が生まれていくように感じました。

みなさんはどう感じますか?